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第 1 架 コンピューティング基盤 8 / 45

PrimeGrid — 世界の計算機で素数の地図を広げる

PrimeGridの2005年からの歴史、BOINCによる探索、篩・PRP・証明、CPU/GPU、巨大素数と未解決予想、ランキング、RSA・ビットコイン・量子計算との正確な境界を解説。

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記事概要

たった一つの数が素数だと確かめるために、世界中のCPUとGPUが候補を分け合う——PrimeGridは、数学の未知を市民の計算で照らす観測網です。

理解の手がかり

広大な数の砂漠を区画に分け、合成数だとすぐ分かる候補をふるい落とし、残った一粒ずつを別の道具で確かめていく共同探検。そう考えると、探索の流れが見えてきます。

比喩の限界

素数かどうかを判定する問題と、RSA合成数を素因数分解する問題は別物です。新しい巨大素数の発見が、それだけで実用暗号を強化したり破ったりするわけではありません。

素数探索のロマンを味わいながら、「素数の発見」と「暗号が破れる」の間に横たわる大きな距離を説明できるようになります。

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1家庭の一台が、数論の観測装置になる

PrimeGridは、一つの巨大な素数だけを探すプロジェクトではありません。BOINCを通じて、Cullen、Woodall、Generalized Fermat、Proth、階乗、Sierpiński・Riesel問題、素数の等差数列など、形も数学的な目的も異なる探索を並行して運営しています。参加者は、自分の端末と対応アプリケーション、そして許容できる所要時間に合うサブプロジェクトを選びます。GIMPSが主にMersenne数 2^p−1 を探索するのに対し、PrimeGridは複数の素数族と予想問題を束ねているのが特徴です。

2026年8月29日00:53 UTCに公式サイトが表示した累計値は、登録利用者 357,988、ホスト 893,527、発見素数101,804、The Prime Pagesへの報告38,124、100万桁以上のmega prime 3,738でした。推定性能は3,071.389 TFLOPSです。これらは同時接続の人数ではなく、またすべてが数学的に同じ重みを持つ発見でもありません。累計値も推定値も動くため、本記事では観測した時刻を添え、最新の値は公式の画面に委ねます。

PrimeGridの魅力は、遠い研究所の結果を眺めるだけで終わらず、自分の計算機が未知の数を最初に検査するかもしれない点にあります。しかし発見は孤立した「当たり」ではありません。先に候補を削った人、アプリケーションを実装し最適化した人、同じ計算を確認した人、サーバーとデータベースを運用した人が、一つの公開記録を支えています。

2Message@Homeから、公開された数論研究所へ

始まりは2005年6月12日です。Rytis Slatkevičiusは、自宅のノートパソコンでPerl製のBOINCサーバー実装を試すために、Message@Homeを50人へ公開しました。最初のMessage7は、MD5で符号化されたメッセージを総当たりで復元する実験でした。PrimeGridという名前が選ばれたのは2005年9月1日です。いまの数学プロジェクトは完成した構想として始まったのではなく、分散計算の基盤を実際に動かす小さな実験から育ちました。

初期にはRSA-640、続いてRSA-768の素因数分解チャレンジにも計算を向けました。しかし2006年3月に素因数分解から離れ、primegenによる素数の生成と探索へ移ります。同年のRiesel SieveやTwin Prime Searchとの協力、そしてLLRアプリケーションの導入が、いまへ続く数論プロジェクトの形を作りました。暗号の課題に挑んだ過去と、現在の巨大素数探索を同じ目的とみなさないことが大切です。

その後、Challenge Series、PRPNet、Generalized Fermat探索、GPU対応のGeneferなどが加わりました。2015年の査読論文は、この変化を、RSA数の総当たり因数分解から大規模な数論ボランティア計算基盤への成長として記録しています。BOINCが配布と会計の基盤を担い、PrimeGridはその上に、数の族ごとの探索計画、専用アプリケーション、検証、発見の報告を積み上げています。

3何を探すのか — 大きさ、形、未解決問題

何を探すのか — 大きさ、形、未解決問題の比較表
探索の型代表例数学的な目的
特殊形式の巨大素数k×2^n+1、n×2^n±1、b^(2^n)+1特定の素数族がどこまで、どの頻度で現れるかを調べる
予想問題の候補除外Sierpiński、Riesel、Seventeen or Bust、base 5「すべてのnで合成数」と疑われるkに反例の素数を見つけ、有限候補を減らす
素数の配置AP27同じ間隔で並ぶ27個の素数という構造を探す
前処理factorial・compositorial sieve、base-5 sieve小さな因数を持つ候補を除き、費用のかかる検査を必要な数だけに集中させる

Cullen数 n×2^n+1、Woodall数 n×2^n−1、Generalized Fermat数 b^(2^m)+1のように形を限定するのは、未知の素数を探しやすくするためだけではありません。形が決まっていれば、専用の判定法と高速な大整数演算が使え、理論上の分布と観測を突き合わせられ、予想問題の候補を一つずつ消していけます。桁数が最大でなくても、ある形での世界初、あるkの候補からの除外、ある長さの等差数列の初発見といった別の価値があります。

2019年9月23日に見つかった最初のAP27が、その象徴です。27個の数がすべて素数で、隣り合う数の差が等しい。この構造を、3年以上の探索の末に確認しました。PrimeGridは「最も長い数の大会」ではなく、数の地形をさまざまな方法で観測する複数の研究計画の集まりです。

4候補から公開記録へ — 一つの発見が通る道

図 1 PrimeGridは、数族から候補を作り、小さい因数をsieveで除き、PRP testで有望な候補を絞る。通常は別taskによる再計算で結果を照合するが、fast proof方式では長い主計算がproof dataを生成し、短いvalidation taskがそれを検証するため、full計算の複製を省ける場合がある。「常に2台で同じ計算」ではなく、証明とvalidationの設計を区別して読む必要がある。

最初の段階は候補の設計です。数学的な形と未探索の範囲を定め、既知の因数や過去の結果を除きます。次の篩(sieving)では、多数の小さな素数で割り切れる候補を安いコストで取り除きます。篩を深くすれば残りは減りますが、深くしすぎると篩そのもののコストが、残った候補を直接検査するコストを上回ります。公式解説が「最適深度」を論じるのはこのためです。

残った候補には、LLR・PRST・GeneferなどでPRP(probable prime=おそらく素数)の判定を行います。合成数のほとんどはここで落ちます。通過した数はきわめて有望ですが、「一台がprimeと表示した」だけで記録にはしません。長い主計算が検査用のデータを作り、短い証明タスクがその計算を確かめるfast proof経路と、別のホストが同じ仕事を独立に繰り返す従来の経路があります。AP探索や篩など、すべての仕事がfast proofを使うわけではありません。

さらに必要な場合は、別のプログラムやN−1法などで数学的な素数証明を行い、The Prime Pages側でも登録時の確認を受けます。したがって「常に2台で同じ計算」も「proof task一つですべて数学的に証明」も正確ではありません。計算の種類に応じて、誤りの検出、計算の再現、素数性の証明という別々の保証を組み合わせています。

5PRP、計算の証明、素数証明を分ける

PRP、計算の証明、素数証明を分けるの比較表
表示・段階何を確認するかまだ言えないこと
篩の通過調べた範囲に小さな因数がない素数であるとは限らない
PRP通過選んだ確率的素数判定に合格一般には厳密な素数証明と同じではない
fast proof確認長いPRP計算が誤りなく行われたことを短いタスクで検査方式によっては数学的な素数証明書とは別
証明済み・証明書数学的な手続きで素数性を証明し、第三者が確認できるその数が暗号鍵や予想問題のすべてを解くわけではない

家庭の端末は、オーバークロック、メモリの誤り、ドライバ、電源、ソフトウェアの不具合の影響を受けます。PrimeGridが計算の証明や二重確認に資源を使うのは、参加者を疑うためだけではありません。巨大な整数を長時間扱う計算では、善意の端末にも誤りが起きるからです。速さの順位と、結果の再現可能性は別の目標です。

PRPは「偽物」という意味でもありません。適切な判定を通り抜ける合成数がきわめて稀になるよう設計されており、候補の発見に欠かせません。ただし世界記録や数学的な主張では、確率的素数(PRP)と証明済み素数のどちらなのか、使ったプログラム、ハードウェア、確認者、日時を残します。そうすることで、読み手が証拠の段階を見分けられます。

6CPU、GPU、アプリケーション — 速さは仕事の形で決まる

PrimeGridの公式アプリケーション一覧には、x86・ARM CPU向け、NVIDIA CUDA、AMD・Intel OpenCL、Apple系プラットフォームなど複数の実装が並びます。しかし、すべてのサブプロジェクトがすべての機器を使えるわけではありません。候補の形式、整数の大きさ、FFTや乗算の方式、メモリ量、倍精度演算、ドライバ、チェックポイント、検証方式によって、向いているハードウェアは変わります。「GPUがあるからすべてのタスクがCPUより速い」という一つの順位表は作れません。

LLR/LLR2、PRST、Genefer、OpenPFGW、AP専用のコード、sr2sieveやAthGFNSieveは、それぞれ役割が違います。篩は大量の候補を軽い演算で落とし、PRPは一つの候補に長い大整数演算をかけ、証明は別のデータとアルゴリズムを要求します。同じ端末でも、アプリケーションと問題の大きさが変われば、演算器、メモリ、通信、発熱のどこが詰まるかが変わります。

2025年2月のGeneralized Fermat prime 13520762^524288+1は、GeForce RTX 3060 Ti上のGeneferでPRPが見つかりました。その後、Ryzen 9 7950X3D上のLLRで約20時間40分かけて確認されています。一つの発見のなかで、GPUによる探索とCPUによる別方式の確認が役割を分けた具体例です。機種名は功績のすべてではありません。ソフトウェアの作者、篩を回した人、サーバーの運営者、確認者まで含む連なりの一部です。

713,426,224桁とAP27 — 「大きい」以外の発見

2025年10月12日、PrimeGridは 2524190^2097152+1 を発見しました。13,426,224桁の最初のGFN-21素数で、2026年8月のThe Prime Pagesではproven、既知の素数全体で6位と記録されています。同サイトでのN−1確認には78.12日を要しました。発見の計算が終わった時点と、第三者がprovenとして記録できる時点との間には、長い検証が横たわっています。

別の価値を示すのが、2016年の 10223×2^31172165+1 です。9,383,761桁という大きさに加えて、Seventeen or Bustのk=10223を候補から除外しました。これは「巨大な数を一つ増やした」だけの成果ではありません。最小Sierpiński数に関する有限の未解決候補を、一つ減らしたのです。

2019年のAP27は、約18桁の値を始点として一定の間隔で並ぶ27個の素数を見つけました。個々の素数は百万桁級の記録よりはるかに小さくても、27項の等差数列としては世界初です。桁数、特定の形式、予想の候補除外、配置の初発見。これらを同じ順位表だけで測らないことが、PrimeGridを理解する入口になります。

8クレジット、バッジ、チーム — 報酬はお金ではなく参加の物語

BOINC creditは、返した計算量をプロジェクト内で数える参加の会計です。PrimeGridには参加者、チーム、国、計算機、prime finderの順位表があります。バッジには、サブプロジェクト別のクレジットのバッジに加えて、mega prime、予想候補の除外、AP26・27・28、世界初などの発見のバッジがあります。Challenge SeriesやTour de Primesは、期間を区切った個人・チームの競争として、探索に物語と季節を与えます。

この仕組みは、金銭的な見返りがないことと矛盾しません。クレジットは法定通貨でも暗号資産でもなく、研究成果の所有権でもありません。順位は参加を続ける動機や共同体への帰属感を生みますが、計算の正しさは検証器と証明が別に判定します。クレジットを多く集めた人の答えが、多数決で素数になるわけではありません。

prime reporting policyは、まず最初の計算者へ連絡し、応答がなければ二重確認を行った人、さらに応答がなければ匿名で登録する、という手順を定めています。発見者の名前の背後にも、候補の範囲を準備した人、篩を実行した人、確認した人がいます。公開された結果やプログラム名まで残すことが、順位表を再検証できる研究史へと変えます。

9素数のパターンを見つけるとは、何を見つけることか

素数は無秩序に見えても、素数定理による密度、合同条件、特定の数式に現れ得る位置など、多くの規則がすでに知られています。PrimeGridが扱うCullen、Proth、Generalized Fermat、Sierpiński・Rieselも「形を持つ数」です。形が分かれば専用のアルゴリズムを使えます。しかしそれは、すべての値が素数になる式を得たことでも、任意の暗号鍵の秘密の因数が分かったことでもありません。

2002年のAKS論文は、整数Nが素数かどうかを決定的な多項式時間で判定できることを示しました。理論としては大きな突破です。しかしこれは、RSAの公開値N=p×qから秘密のpとqを効率よく取り出すアルゴリズムではありません。「この数はprimeか」と「この積を作ったprimeは何か」は、入力も求める答えも違う問題です。

したがって「素数のパターンが見つかれば暗号の牙城が崩れる」は、条件を付けなければ事実ではありません。暗号を変えるのは、実際に使われている任意の鍵を高速に因数分解する方法、離散対数を高速に解く方法、鍵生成の偏りから秘密の値を予測する方法、あるいは特定のパラメータの構造を突く攻撃です。美しい分布の法則や新しい巨大素数だけでは、その力は得られません。

10素数を見つけることと、鍵を破ることは同じではない

図 2 新しい巨大素数は数論、探索algorithm、計算実装の検証を前進させるが、公開された一つの素数が既存暗号を直接強くしたり破ったりするわけではない。PrimeGridは候補Nの素数性、RSA攻撃は合成数nの因数、Bitcoin署名攻撃は楕円曲線の離散対数、miningはSHA-256dのtarget探索を問う。危険なのは汎用的に速い因数分解・離散対数algorithm、弱い鍵生成、または十分に大規模な誤り訂正量子計算である。
素数を見つけることと、鍵を破ることは同じではないの比較表
問い公開されるもの隠したいもの困難性
PrimeGrid候補の整数Nと探索式原則としてなしNが素数かを正しく効率よく判定する
RSAn=p×q、公開指数各鍵固有のp、qと秘密指数nを素因数分解する
Bitcoin署名曲線、生成点G、公開鍵Q=xG秘密鍵x楕円曲線離散対数を解く
Bitcoin miningブロックヘッダーとSHA-256のターゲット秘密の素数は使わないターゲットを下回るハッシュが出る入力を試す

巨大素数探索は、数論、大整数の演算、誤りの検出、分散検証、ハードウェア最適化を前へ進めます。暗号への貢献は、この意味で間接的です。公開され、特殊な形を持つ記録素数を見つけても、すでに配布されたRSA鍵やビットコインの鍵の安全性の水準は変わりません。鍵の強さはビット長だけで決まるものではなく、乱数、パラメータ、プロトコル、実装、運用まで含めて評価します。

逆に、素数の研究と暗号が無関係というわけでもありません。素因数分解や離散対数を現実的な時間へ短縮するアルゴリズム、弱い鍵生成が選ぶ素数の偏り、再利用されたパラメータへの事前計算は、安全性を変え得ます。問われるのは「prime」という共通の語ではなく、攻撃者が秘密の値を回収できる計算能力が生まれるかどうかです。

11RSAで現実に崩れたのは、宇宙的規則より弱い乱数だった

FIPS 186-5はRSA署名鍵のpとqを、規定の大きさと条件を満たすランダムなprovable primeまたはprobable primeとして生成すると定めています。公開された百万桁級の記録素数を秘密の因数に使うのではありません。RSA-2048の法(modulus)は約617桁で、因数はおおむねその半分ですが、単純な桁数の比較だけで安全性の強度は決まりません。PrimeGridの巨大素数は公開された研究成果であり、秘密鍵の材料ではありません。

実際の破綻例では、乱数が足りずに別々のRSA鍵が同じ素因数を共有しました。Heningerらは大量の公開鍵を比較し、二つの法の最大公約数を取るだけで共有された因数と秘密鍵を回収できる例を示しました。これは「素数全体に潜む神秘的なパターン」ではありません。鍵生成器が独立で予測不能なp、qを選べなかった、実装とエントロピーの失敗です。

有限体上のDiffie–Hellmanでも、短く、広く再利用された群は事前計算の標的になり得ます。Logjam研究とRFC 7919が示す論点は、素数を公開したこと自体ではなく、群の大きさ、構造、由来、再利用、実装です。公開されるパラメータと秘密の値を分け、どの問題の難しさに依存しているかを確かめる。そのほうが、「大きな素数なら安全」という標語よりも正確です。

12ビットコインと量子計算 — 素因数分解ではなく離散対数

ビットコインのECDSAとBIP 340 Schnorr署名はsecp256k1楕円曲線を使います。有限体の素数p、曲線の式、生成点Gは公開されるパラメータで、秘密はx、公開鍵はQ=xGです。安全性の中心はQからxを戻す楕円曲線離散対数の難しさであり、RSAの法の素因数分解ではありません。PrimeGridが別の巨大素数を発見しても、secp256k1のパラメータや既存の鍵が自動的に強くなることはありません。

ビットコインのマイニングも素数探索ではありません。マイナーはブロックヘッダーのナンスなどを変え、二重のSHA-256ハッシュがネットワークのターゲットを下回る入力を試します。PrimeGridのPRP判定が「このNは素数か」を調べるのに対し、マイニングは「この入力のハッシュはターゲットを下回るか」を調べます。大量の独立した試行という外形は似ていても、数学の問題、正解の意味、検証、報酬のどれもが違います。

十分に大規模で誤り訂正された量子計算機の上で動くShorのアルゴリズムは、整数の素因数分解と離散対数の双方を多項式時間で解く道を与え、RSA・DH・ECCを脅かします。これは「素数のパターンを見つけた」こととは別の、アルゴリズム上の突破です。現在の装置がビットコインの秘密鍵を実用的な時間で回収したという証拠はなく、この脅威を期限つきの予言に変えるべきではありません。一方で、NISTが耐量子暗号の標準化を進めてきたように移行には年月がかかるため、早く設計を始める価値があります。

13参加する前に — 未知への切符には電力と責任がある

参加は、公式のBOINCクライアントを導入し、PrimeGridへ接続し、サブプロジェクトと資源の上限を選ぶところから始まります。公式アプリケーション一覧でOS、CPU/GPU、ドライバの対応を確認し、最初はCPU使用率、稼働時間、バッテリー、温度、ファン、ネットワークを控えめに設定します。数日から長期間かかるタスクもあるため、期限とチェックポイントを確かめ、所有者の許可がない端末では動かしません。

余った計算力を使うだけでも、電力と熱はゼロになりません。専用に端末を買うのか、その熱を暖房として使えるのか、地域の電源構成はどうか。こうした条件によって、追加で生じる影響は変わります。オーバークロックで誤りを増やせば、速く見えても再計算が増えます。クレジットの効率だけでなく、有効な結果、消費電力、ハードウェアの寿命、騒音までを一つの運用として考えます。

素数を必ず発見できる保証はありません。それでも、合成数だったと分かる検査は探索の範囲を前へ進め、篩は後続の計算を減らし、証明は他者の結果を確かめます。PrimeGridのロマンは、幸運な一台だけにあるのではありません。世界中のありふれた計算機が、外れた候補も含めて、検証できる地図を少しずつ塗り広げていくことにあります。

主な参照元

次に読む

計算資源の社会史 — Credit、暗号資産、AI、宇宙約20分
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引用情報 / Citation

Title
PrimeGrid — 世界の計算機で素数の地図を広げる
Source
ビットコイン図書館 (bitcoin.ne.jp)
Canonical URL
https://bitcoin.ne.jp/learn/primegrid
Author
KK siiiiiixth
Topic
primegrid
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変更履歴 / Revision history

  1. PrimeGridの歴史、探索体系、計算と検証の流れ、主要な発見、参加者の共同体、暗号との境界を一次資料に基づく独立記事として公開。